浮気コラム
発病前の浮気予備軍 〜あなたのパートナーは大丈夫?〜
浮気とは本来、隠れたところで行われるものであり、浮気をする人はその情事が公にならないようにあれこれ気を回すものです。
ここでいう浮気予備軍とは、不貞行為にまでは及ばない「心の浮気」の数々を指すものとします。
では一体、浮気予備軍とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
……と、挙げ出せばきりがないのですが、これら瞬発的に熱を帯びてしまうときめきは、誰にでも経験のあることだと思います。俳優やアイドルに恋焦がれる衝動も同じようなものですが、この場合は対象となる人物との関係性に一定の距離感が存在するので、当人の実生活を狂わす可能性は低いといえます(中には尋常ではない熱狂的なファンもいるでしょうが)。
ではなぜ、このようなときめきが生まれてしまうのでしょうか。理由は簡単。
非常に単純な、そして些細なことがきっかけで人の心は浮つきます。
誰にでも、そして偶然にも必然にも起こり得るこのときめき。それらは止めようがありませんし、そのこと自体をよこしまなことだとは思いません。なぜなら、人は恋に落ちると脳内でPEAというホルモン濃度が上昇し、脳が快感を示します。ホルモンが活性化することで、たとえば女性は肌に張りが出てきますし、男性の生活にも張りが生まれてくるのでしょう。このように、ときめきには生物学的にも良い効用があるといわれているのです。
だからとて、恋人や伴侶のいる者がそこにどっぷりはまりこんでしまうのは、いささか問題があります。水浴び程度のお遊びならまだしも、家に帰ってもその人のことが頭から離れない・・・といった全身水浸し状態になるとそれは、ときめきの範疇を越えたものになってしまいます。心から純粋にはまり込んでしまう人ならばなおさら、ずぶ濡れになってしまう可能性が高いといえるでしょう。身の丈にあった遊びかどうかが、浮気に発展するしないの大きな分かれ目になるのです。
ちょっとした火遊びが、大惨事に。
当人のさじ加減だけでなく、対象となる異性の善し悪しで事態が一転してしまう可能性がこのときめきには潜んでいます。たとえば前述にある、職場の後輩に淡く心が浮ついてしまった男性。頼りがいのある兄貴分としての自分を演じることに快感を得ていたわけですが、一方その後輩はというと、それはあくまでも彼女の人柄によってもたらされた悪意のない誤解であり、別段彼のことを特別に思っていたわけではありません。彼女にとって彼は、その他大勢いる先輩のひとりに過ぎなかったのです。そんな裏事情など想像だにしない彼は、彼女との会話ひとつに一喜一憂しますが、彼女には他にも気の合う先輩がいるので、その人との会話に華を咲かせる場面も出てきます。しかしそれは彼にとっては裏切りに似た行為として映り、どうして俺だけじゃないんだ、とやきもきした思いに駆られるようになります。
……と、そこから先の展開は皆様の想像にお任せしますが、有り得なくもない話だと思いませんか?
この場合の女性は、さしたる計算も無く何の気なしに先輩の気を引いてしまったようですが、世の中にはそれらを計算ずくに行う女性も存在します。そのようなタイプに心を奪われてしまうと、さらに心を乱されてしまう可能性もあるでしょう。
このように肉体関係のないいわゆるプラトニックな恋というものは、純粋な分だけ人の想像力をかき立ててしまうので、話がややこしくなることが多いように思います。その最たるものが、ホステスやホストの織り成す夜の接客でしょう。擬似恋愛の甘い蜜を吸わせて、相手の思考回路をゆるくしたところで財布の紐を握るのです。もちろん肉体関係があったらあったで、さらにややこしい問題が起きなくもないのですが。
自分の恋人や伴侶が、隠れ浮気をしていたら……
当人の生活に張りをもたらす程度の、その日その日で消化できる程度のときめきは大目にみてあげましょう。それで毎日を機嫌よく健康に過ごしてくれるのなら、いいではないですか。そうではなく、降って湧いた恋心に身も心も思考も取られてしまうようなバランスの悪い恋人や伴侶を持ってしまった場合、その泥が自分に降りかかるともしれないわけですから、そうなる前に目を覚まさせるなり、身を引くなりの策を練るべきでしょう。浮気が発病する前に……